文化協会の活動
奈良市、木津川市、精華町にお住いの皆様、日頃文化活動に少しでも関わりがございますか?
この地域は文化財の宝庫と呼ばれ、いろいろな形で接することが出来ます。高の原には地域住民と一緒に文化活動を支援する文化協会があり、春・秋の記念講演会やユニークな講座を開設し、文化活動に親しんで頂いております。
毎年5月には文化協会の総会と記念講演会を開催し、秋には3日間にわたり文化祭を開催し、文化協会の各講座・同好会の作品展示や舞台発表、また地域で活動されているグループによる上演や演奏会、更に記念講演会を開催しています。
現在高の原文化協会の講座・同好会は20の講座があります。そして皆様から新しいニーズに合った同好会や新講座も提案をして頂ければ開催することが出来ます。本組織は地域の自治連合会や奈良市北部会館市民文化ホールの協力を得て成り立っており、今後も「地域文化の発展」に寄与できるよう努めてまいります。なお一層のご支援、ご協力をお願いいたします。
平城ニュータウン文化協会の意義と継続について
1983年(昭和58年)に平城ニュータウン文化協会は発足して40年になります。
その時の初代会長は元関西大学名誉教授網干善教先生で、当ニュータウンに移り住まれたことをきっかけに誕生いたしました。網干 善教(あぼし よしのり・1927年9月29日~2006年7月29日)先生は、日本の考古学第一人者で高松塚古墳発堀・保存の貢献者です。
亡くなられる直前まで文化協会に貢献されました。
その時の「層富」の巻頭言は次の通りです。
私たちの平城ニュータウンに「文化の燈火を」そしてたとえその明りが、小さく、暗くとも、やがて町全体を照すような灯火にしたいという願いをこめて、文化協会が発足し、一年が経過しました。会員の方々は、それぞれのサークルで活動下さっていますが、なお設営に不十分な点も多いと思います。
最初から大きな成果を挙げ得るということはむつかしく、容易でないともよく承知しています。人間は勝手なもので、それがなくては生活できないとか、著しい利害関係が生じるというような場合には、何をさておいても真剣になりますが、いつでもできるだろう、それをしなくても別に困らないと思うと、つい消極的になりがちです。文化活動というものはどうも二の次のように考えられ易いのです。
ところがスポーツにおいても平素からの基本的訓練が必要ですし、子供たちの学習を見ていましても、毎日毎日の積み重ねが大きく成長する結果となります。
平素から、名著、名作といわれるすぐれた本をよく読んでいる人とそうでない人、絵画や音楽など芸術性豊かなものに馴染んでいる人とそうでない人、自分の趣味や興味を深めながら生活している人とそうでない人など、どこか人問性に違いが生じるものだと思います。
孤独で、偏見で、協調性にとぼしく、ただ自分だけを過信し、それに満足し、自分だけの幸を求めて生きるということは、人間として悲しむべきことだと思われます。
いみじくも『中庸』に「博く之を字び、審らかに之を問い、慎んで之を思い、明らかに之を弁じ、篤く之を行う」ことの必要を説き、明の洪自誠の著書『菜根譚』では「高き(山)に登れば、人をして心曠からしめ(心が広くなる)流れに臨めば(大河)人をして意遠らしか(思いも遠くはせる)」(環境を一転して心意を遠大にすべきだ)といっています。幅広く、深みのある人間となりたいものです。
私たちはささやかながらも文化協会の活動を通じて、より成長したいと願うものであります。
会員からは私たちが住むニュータウンに文化協会が設立されていることはとても嬉しい。『人間生活は没社会的であってはいけない。互いに自分のもつ「よいもの」を出しあい、また人から「欠けているもの」を教わって、自分白身を人間的に高めていくことが大切だ』と言われる網干会長のお言葉が胸にひびく。私もこのニュータウンに住ませて載いている間に、私の人生で今この時にしかできないようなことを見つけ出し、良き友と出会い、少しでも人間的に自分自身を高めていくことができれば、この町に住まうこととあわせて2重の幸せである。 と述べられています。
時代と共に社会情勢も大きく変化し今、文化協会は変革時期に差し掛かっているように思います。
現在20講座・同好会で約270名ほどの会員が、日夜 東・西公民館や北部会館、ふれあい会館などで地域の方々と交流・活動して、生活に潤いを与えています。
文化協会では個別の発表会のみならず春には総会と記念講演会、機関紙「層富」発行、秋には北部会館と協賛して文化祭をにて3日間にわたり開催し地域の皆さんとの交流を深めています。
その他各地区の記念行事や協議会などに参加して地域の状況把握に努めて、年6回の文化協会NEWSを発行し、会員との意思疎通を図り、地域住民に親しまれるよう努力しています。
しかし役員の成り手がいないのが最大の課題です。